膨らむお餅と彼らの夢と

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膨らむお餅と彼らの夢と

つい先日、ボーイ・スカウトの少年二人が家にやってきた。
「お正月のお飾りを集めに来ました」それはこちらの背筋も伸びるぐらいハキハキとした口調だった。すぐに僕は「どんど焼き」の事だと気付いた。
僕の子供の頃にも、お飾り集めの経験があった。
所属していた少年野球チームの恒例行事としてどんど焼きが行われていた。チームのメンバーで手分けして町内のお飾りを集めた。そしてそれを多摩川の河川敷で燃やしていた。
どんど焼きには大勢の人が参加していた。わいわいとした雰囲気だった。
正月飾りで焼いたお餅を、友達同士で食べた。外で食べるお餅はとても美味かった。焚火で焼くから灰まみれなのだが、それでも子供心には楽しいイベントだった。
しかしそんなどんど焼きもいつの間にか行われなくなった。
河川敷での焚火が禁止になった事も原因の一つだと思う(詳しい事はよく知らない)。少なくとも少年野球チームで正月飾りを集める事は無くなった。当然ながら友達同士でお餅を食べる機会もなくなってしまった。
そうして特別だった一月の雰囲気が少しずつ減っていった。
もちろんこれは僕個人が感じた事であり、世の中には今でも大事な伝統を継承している人々や地区も存在している。
ただ、こうしてボーイ・スカウトの少年らが正月飾りを集めに来た事で、僕は楽しかった子供の頃を少しだけ思い出した。端的に言うなら、季節の移り変わりを気候以外に感じていた事を思い出したのだ康泰旅行團
玄関先で待つ少年達に、僕は正月飾りを渡した。そして少し考えて、やはりお餅も持たせる事にした。シングルパックが時代の流れを感じさせるが、外で食べれば美味しいはずだ。少年たちはお飾りと餅を受け取ると大きな声で礼を言った。寒風も吹き飛ばすような声だった。なんだかとても気持ちの良い気分だった高級門窗
そんなこんなしていたら腹が減ってきた。なんだか無性にお餅が食べたくなった。
僕はリビングにある石油ストーブの上にお餅をのせた。するとすぐに息子が寄ってきた。彼はお餅が大好物なのだ。
じりじりと餅が焼けるのを二人で待った。焦げ目がついたところで皿に移し、醤油をかけた。香ばしい匂いが漂った。その上から海苔を巻き磯辺焼きを作った。自分の分には七味唐辛子も振った。それから上着を着て庭に出て、ベンチに座って熱々のそれを食べた歐洲旅遊
そう思うと僕らが過ごす一月だって、決して悪くないような気がした。あの頃のお餅も美味かったけど、今食べているお餅だって負けていない。
買い物から帰った妻が、お餅を食べる僕と息子を見て、いそいそと自分の分をストーブにのせた。こういう時は焼けあがりまでとても長く感じるだろう。
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